ああ、これはただの風邪ではない。
そう思ったのは、夜になってからだった。
昼間までは、少しだるいな、くらいだったのに。
夕方から、体の奥がじわじわと熱を持ち始める。
布団に入っても寒い。
なのに額は熱い。
体温計の数字が、静かに現実を突きつける。
ああ、これはインフルエンザだ。
逃げ場のない確信が、部屋の空気を重くする。
関節が痛い。
いつもは何も言わない膝や腰が、
今夜は小さく悲鳴をあげている。
スマホを見る気力もない。
パソコンの電源を入れる元気もない。
ただ、天井を見つめて、
時間が過ぎるのを待つだけだ。
健康とは、何も感じないことだったのだと知る。
熱が出て、ようやくそれを思い出す。
静かな夜。
でも体の中は、嵐のようだ。
明日の朝には、少し楽になっていますように。
そう願いながら、
もう一度、深く布団にもぐりこんだ。
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