2026年2月27日金曜日

お酒を飲まなければみんな健康になりましたか?

もしも、世界からお酒が消えたら。
居酒屋の明かりは少し静かになり、
コンビニの棚から缶ビールが消える。

肝臓の病気は減るだろう。
二日酔いの朝も、きっと少なくなる。
交通事故も、いくらかは減るかもしれない。

では、それで「みんな健康」になったと言えるだろうか。

たしかにアルコールは体に負担をかける。
飲まないほうが医学的には安全だ。
それは間違いない。

でも健康は、血液検査の数値だけでは測れない。

一日の終わりに、
誰かと乾杯する時間。
本音が少しだけこぼれる瞬間。
張りつめていた気持ちが、ふっと緩む夜。

そこに救われてきた人もいる。

もちろん、依存や暴飲は別の問題だ。
お酒に飲まれてしまえば、
心も体も壊れてしまう。

けれど、
お酒そのものが消えれば、
孤独やストレスまで消えるわけではない。

人は別の何かで埋めようとするかもしれない。
甘いものかもしれない。
仕事かもしれない。
スマホの画面かもしれない。

健康とは、禁止の数ではなく、
満たされている感覚の総量なのかもしれない。

体を守ることは大切だ。
でも、心の逃げ場を奪うだけでは、
本当の意味での「健康」には届かない。

お酒を飲まなければ健康になる。
それは一部の真実。

けれど、
お酒がなくなっても、
笑顔が増えなければ、
それは本当に健康と言えるのだろうか。

グラスの中身よりも、
その人の生き方や環境のほうが、
ずっと大きな影響を持っている気がする。

健康とは、我慢だけでつくるものではない。
そんなことを考えながら、
静かな夜に水を飲んでいる。

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