2026年2月27日金曜日

タバコがなくなればみんな健康ですか?

もし明日、この世界からタバコが消えたら。
街のコンビニからも、自販機からも、煙は消える。

きっと、肺がんは減るだろう。
受動喫煙の問題も、小さくなるかもしれない。
医療費も、いくらか軽くなるだろう。

それでも――
本当に「みんな健康」になるのだろうか。

健康とは、ただ病気がない状態ではない。
体だけではなく、心も含めたバランスの話だ。

タバコをやめた代わりに、
強いストレスを抱え込む人はいないだろうか。

食べることで埋め合わせをして、
別の生活習慣病が増えることはないだろうか。

もちろん、喫煙のリスクは科学的にも明らかだ。
吸わないほうがいい。
それは間違いない。

でも、問題はいつも単純ではない。

人はなぜタバコを吸うのか。
ただの習慣か。
依存か。
それとも、孤独や緊張をやわらげる「時間」なのか。

健康を語るとき、
私たちは数字を見がちだ。
死亡率、発症率、平均寿命。

けれど、
笑っている時間や、
安心して眠れる夜の数は、
数字になりにくい。

タバコがなくなれば、
確かに体のリスクは減るだろう。

でも、健康な社会をつくるには、
それだけでは足りない気がする。

ストレスを減らす働き方。
孤立しない人間関係。
休むことを許す空気。

そうした土台があってこそ、
「健康」は根を張る。

タバコをなくすことは一つの手段。
でも、目的は「人が健やかに生きられること」のはずだ。

煙の向こう側にあったものは何だったのか。
それを見つめ直さない限り、
別の形の煙が、またどこかで立ちのぼるのかもしれない。

健康とは、禁止だけでは完成しない。
そんなことを、静かな夜に考えている。

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