先日、駅のホームで電車を降りたとき、目の前にエスカレーターと階段が並んでいました。
いつもなら、何も考えずにエスカレーターの列へ向かいます。でもその日は、なぜか足が階段の方へ向いたんです。理由は特にありません。強いて言えば、朝の空気が気持ちよかったから。それくらいの軽い気持ちでした。
一段目に足をかけたとき、「あ、ちょっと選んだな」と思いました。
「選んだ」という感覚が、意外と大きかった
階段を上り終えたとき、息が少しだけ弾んでいて、体がほんのり温かくなっていました。そして、なんだか少し得をした気分になっていたんです。
何かをもらったわけでも、お金が浮いたわけでもありません。それなのに、どうして得した気分になるのか。ちょっと考えてみました。
理由1:「自分で決めた」小さな達成感
一日のうちで、自分で選んでいることって意外と少ないものです。
朝起きる時間、通勤の道、仕事の段取り。多くのことは「そうなっているから」で進んでいきます。そんな中で、「今日は階段にしよう」と自分で決めた。その小さな選択が、「今日の自分は自分で動かした」という感覚につながったのだと思います。
大きな目標じゃなくていいんですよね。運動を始めると宣言しなくても、ジムに入会しなくても、階段を一回選ぶだけで、ちゃんと達成感はもらえます。
理由2:体が「動いた」と教えてくれる
エスカレーターに乗っているとき、体は運ばれています。階段のときは、自分の足で進んでいます。
階段を上り終えたあとに感じる、ふくらはぎの軽い張りや、ほんのり上がった体温。あれは「ちゃんと動いたよ」という体からの小さな報告のようなものです。
その報告を受け取ると、不思議と気分が前向きになります。座りっぱなしの日や、スマホばかり見ていた日にこそ、この感覚は効きやすいかもしれません。
理由3:「ついで」だから、続けやすい
運動というと、「時間をつくる」「着替える」「場所へ行く」と、ハードルが上がりがちです。
でも階段は、すでにある移動の途中で選べます。わざわざ時間をつくらなくていい。つまり、「ついで」なんです。
ついでだから、失敗しても落ち込みません。今日はエスカレーターだったとしても、明日また階段を選べばいいだけ。この気軽さが、「ちょっと得した」という軽やかな気持ちにつながっている気がします。
理由4:景色が少し変わる
意外と見落としがちなのが、景色の違いです。
エスカレーターでは前の人の背中を見ていることが多いですが、階段では、踊り場の窓から見える空や、壁に貼られた小さなポスター、上から差し込む光に気づくことがあります。
ほんの数十秒の違いなのに、「いつもの道」が少しだけ違って見える。その新鮮さも、得した気分の正体のひとつだと思います。
無理のない範囲で、でいい
ここで一つだけ。階段は、体調や足の状態、荷物の量によっては負担になることもあります。重い荷物を持っている日や、疲れがたまっている日、膝や足に不安がある日は、エスカレーターやエレベーターを使って大丈夫です。
「階段を選ぶべき」という話ではなく、「選べる日に選んでみると、ちょっといいことがあるかも」くらいの距離感が、ちょうどいいと思っています。
今日からできる、小さな実験
もし気が向いたら、次のどれかを試してみてください。
- 駅やビルで、階段が目に入ったら一回だけ選んでみる
- 「上りだけ階段」と決めて、下りは楽をする
- 一つ下の階なら、エレベーターを待たずに階段で移動する
- 上り終えたあとに、「ちょっと得したな」と心の中でつぶやいてみる
最後のひとつは、意外と効果があります。小さな行動に名前をつけてあげると、気分の余韻が少し長く続くんです。
おわりに
階段を選んだだけで、世界が劇的に変わるわけではありません。
それでも、「今日は自分で選んだ」という小さな手応えと、体がほんのり温まる感覚は、一日の気分をそっと明るくしてくれます。
特別な努力はいらなくて、ただ、次に階段を見かけたときに、ちょっとだけ足を向けてみる。それだけで、ちょっと得した気分になれるなら、悪くない取引だと思いませんか?
明日の朝、駅でふと目に入る階段。もしよかったら、一段目に足をかけてみてください。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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