夕方、ふとスマホを見たら「9,842歩」。あと158歩で1万歩だと気づいて、家の中をぐるぐる歩いたことはありませんか。
私もあります。そして、その数字が本当に正しいのかどうかは、一度も疑ったことがありませんでした。今日は、毎日なんとなく目にしている「歩数」という数字と、ちょうどいい距離感で付き合う方法を考えてみます。
万歩計は、実は「歩いた数」を数えていない
意外かもしれませんが、万歩計や歩数計は、足が地面についた回数を直接数えているわけではありません。
中に入っているのは加速度センサーです。体の上下左右の揺れを感じ取って、「この揺れのパターンは歩いているときのものだな」と判断して、1歩とカウントしています。
つまり歩数は、揺れから推測された数字です。測っているのではなく、見積もっている。そう考えると、多少のズレが出るのも自然なことだと思えてきます。
ズレやすい場面、ズレにくい場面
では、どんなときに数字が狂いやすいのでしょうか。
少なく出やすい場面
- ゆっくり歩いているとき(揺れが小さく、歩きとして認識されにくい)
- ベビーカーやカートを押しているとき(腕が振れず、体の揺れも小さくなる)
- スマホをカバンの奥に入れているとき、机に置きっぱなしのとき
多く出やすい場面
- 電車や車の振動が続いているとき
- 腕時計型で、家事や料理、手を大きく動かす作業をしているとき
- 歩いていなくても、体や腕を揺らし続けているとき
「今日は一日中家にいたのに、思ったより歩数が多いな」と感じる日は、腕の動きが数えられている可能性もあります。反対に「たくさん歩いたはずなのに少ない」という日は、持ち方や歩き方の影響かもしれません。
機種が違えば、数字も違う
スマホと腕時計型の端末を両方つけてみると、同じ一日なのに数字が違うことがあります。どちらかが間違っているというより、センサーの位置と判定の仕方が違うからです。
だからこそ、大切なのはこの考え方だと思っています。
「他の人や他の機械との比較」ではなく、「同じ機械での昨日との比較」に使う。
同じ端末を同じ持ち方で使い続けていれば、数字に多少のクセがあっても、その人にとっての増減の傾向はちゃんと見えてきます。絶対値の正しさより、変化の方向を見る。これが歩数計のいちばん上手な使い方ではないでしょうか。
「1万歩」という数字も、少しだけ疑ってみる
もうひとつ、数字との付き合い方で触れておきたいのが「1万歩」という目標です。
この数字が広まったきっかけには、1960年代に日本で発売された歩数計の商品名「万歩計」が関係している、と言われています。語呂のよさや、わかりやすい区切りの良さで定着した面があるようです。
その後の研究では、1日7,000〜8,000歩前後でも健康面のメリットが大きく現れ、それ以上は効果の伸びがゆるやかになる、という報告も出ています。年齢や体調によっても適した歩数は変わるので、「1万歩に届かなかったからダメ」ということはまったくありません。
1万歩はゴールではなく、あくまで目安のひとつ。そう思うだけで、夜に家の中をぐるぐる歩かなくても済みそうです。
数字に振り回されない、3つの付き合い方
最後に、私なりの結論をまとめます。
- 同じ端末、同じ持ち方で続ける。 比べる相手は「昨日の自分」だけにする。
- 数字が妙に多い日、少ない日は、理由を想像してみる。 電車の揺れ、家事、ベビーカー、カバンの中。原因が見えると、数字に一喜一憂しなくなります。
- 歩数が少なくても、自分を責めない。 体の調子や気分も大切な情報です。
おわりに
歩数計の数字は、完璧な真実ではありません。けれど、毎日の暮らしを少しだけ見える形にしてくれる、とても便利な「ものさし」です。
信じすぎず、疑いすぎず。「だいたい合ってる、でも目安だよね」くらいの気持ちで眺めるのが、ちょうどいい距離感なのだと思います。
今日の歩数は、何歩でしたか。数字の大小より、その一日の中で気持ちよく歩けた時間があったなら、それだけで十分だと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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