朝は白湯から始まる人。歩数計の数字をいつも気にしている人。成分表示を端から端まで読んでからでないと、お菓子ひとつ買えない人。
その一方で、「健康診断? ああ、今年もそのうち行くよ」と笑い、夜中にラーメンをすすって、それでも妙に楽しそうな人もいます。
あなたのまわりにも、どちらのタイプもいるのではないでしょうか。そしてふと思うのです。結局、どっちが幸せなんだろう?
今日は、この少し意地悪な問いを、ゆっくり考えてみたいと思います。
健康オタクの幸せ
まず、健康オタクの人たち。
彼らの強みは、なんといっても「自分の体に関心がある」ことです。体調の小さな変化に気づける。睡眠、食事、運動を整えているから、実際に調子がいい日が多い。人間ドックの結果表を見て「去年より数値が良くなった!」と喜べる。これは、やった分だけ手応えが返ってくる、とても気持ちのいい幸せです。
自分の体を大事にしているという感覚そのものが、自己肯定感を支えてくれることもあります。
ただし、落とし穴もあります。
- 「今日は○○を食べてしまった……」と食事のたびに罪悪感を抱く
- 数値が少し悪いだけで、一日中不安になる
- 友人との食事会で「これは体に悪いから」と、場の空気より健康を優先してしまう
- 情報を追いすぎて、何が正しいのか分からなくなる
健康のために始めたことが、いつの間にか心の負担になってしまう。そんなパターンです。「体にいいことをしているのに、なんだか苦しい」という状態は、本末転倒かもしれません。
健康に無関心な人の幸せ
では、健康に無関心な人はどうでしょう。
彼らの強みは、気楽さです。食べたいものを食べて、眠いときに寝て、数値や情報に振り回されない。「そのとき楽しいか」を軸に、軽やかに生きている。ストレスの種が少ないというのは、確かに大きな幸せです。
でも、こちらにも落とし穴があります。
- 体調の小さなサインを見逃して、気づいたときには大ごとになっている
- 「まだ大丈夫」の積み重ねが、ある日ふいに「大丈夫じゃない」に変わる
- 健康を損なってから、「もっと早く気をつけておけば」と後悔する
- 好きなことを長く楽しみたいのに、体が追いつかなくなる
今の気楽さが、未来の自分の不自由とトレードオフになっている可能性があるのです。
実は、幸せを分けているのは「健康への関心の量」ではない
ここまで書いてきて、私はひとつ気づきました。
幸せかどうかを分けているのは、健康に関心があるかないかではなく、その関心と、どんな距離感で付き合っているかではないでしょうか。
健康オタクでも、毎日を楽しそうに過ごしている人はいます。そういう人は、たいてい「やらなきゃ」ではなく「やりたいからやっている」。ときどき崩れても、「まあ、そんな日もあるよね」と笑って戻ってこられる。
反対に、無関心でも不安そうな人もいます。「本当は気になっているのに、見ないようにしている」という状態は、実はけっこう疲れます。
つまり、こういうことです。
- 健康をルールにすると、苦しくなる
- 健康を無視すると、不安が残る
- 健康を自分の味方にできたとき、ちょうどいい幸せが生まれる
「ちょうどいい人」になるための、小さなヒント
では、極端な二つのあいだで、ちょうどいい場所を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。すぐ試せるものを、いくつか挙げてみます。
1. 「やること」を欲張らない
全部やろうとしないこと。「これだけは続けている」と言えるものが、ひとつかふたつあれば十分です。
2. 「たまには」を自分に許す
夜中のラーメンも、友人とのケーキも、人生の楽しみです。続けるうえで大切なのは、完璧さよりも「戻ってこられること」。
3. 数字は「評価」ではなく「ヒント」として見る
数値が悪くても、自分がダメなわけではありません。「何を変えると楽になるかな」を考える材料として受け取ると、気持ちが軽くなります。
4. 年に一度は、プロに任せる
健康オタクの人も、無関心な人も、健康診断だけは共通の安心材料になります。「見ない不安」も「見すぎる不安」も、そこで落ち着きます。
5. 他人の健康法と、自分を比べない
誰かにとって最高の習慣が、あなたにも合うとは限りません。自分の体の声を、いちばんの先生にしてあげてください。
結論:幸せなのは「自分の体と、仲良くしている人」
最初の問いに戻りましょう。
健康オタクと健康に無関心な人、どちらが幸せなのか。
私の答えは、こうです。
どちらでもなく、自分の体と心にちょうどいい距離で付き合えている人が、いちばん幸せなのだと思います。
体を気づかいすぎて疲れてしまうのも、体を放っておいて不安を抱えるのも、本当は少しもったいない。それならときどき立ち止まって、「今の自分、無理していないかな?」と聞いてみる。それだけで、健康との付き合い方は、ずいぶんやさしくなるはずです。
もしあなたが今、「健康オタクすぎるかも」と感じているなら、今日はひとつだけ、好きなものを楽しんでみてください。「ちょっと無関心すぎるかも」と感じているなら、今日はひとつだけ、体に「お疲れさま」と声をかけてみてください。
その小さな一歩が、あなたにとってのちょうどいい幸せへの、いちばん近い道かもしれません。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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