「ちょっと深呼吸して」
緊張している場面や、イライラしているときに、こう言われたことはありませんか。私は何度もあります。そのたびに「はいはい、吸って、吐いて…」と、半分流しながらやってきました。
ふと、「深呼吸って、なんでこんなに大事だと言われるんだろう?」と気になったので、調べてみました。
呼吸は「勝手にやっていること」なのに、自分で変えられる
呼吸は、寝ている間も、何も考えていない間も、勝手に続いています。心臓の動きや胃腸の働きと同じで、普段は意識しなくても体がやってくれています。
ただ、呼吸が面白いのは、自分の意思でも変えられるところです。心臓の速さを「ゆっくりになれ」と念じて変えるのは難しいですが、呼吸なら「今からゆっくり吐こう」と決めるだけで変えられます。
この「自分で操作できる」という点が、深呼吸が大事にされる大きな理由のようです。
自律神経と深呼吸の関係
体には、自分の意思とは関係なく働く「自律神経」があります。ざっくり言うと、次の2つです。
- 交感神経:活動モード。緊張したり、焦ったりしたときに優位になる
- 副交感神経:休息モード。リラックスしているときに優位になる
緊張しているときは、交感神経が強くなって呼吸が浅く速くなりがちです。逆に、ゆっくり長く息を吐くと、副交感神経が働きやすくなると言われています。
つまり深呼吸は、呼吸という「自分で動かせるスイッチ」を使って、休息モードの方へそっと背中を押す方法というわけです。
「吸う」より「吐く」がポイント
調べていて意外だったのが、深呼吸では吸うことより、ゆっくり吐くことが大事だと説明されていることでした。
深呼吸というと、胸いっぱいに息を吸い込むイメージがありますよね。でも、いきなり大きく吸おうとすると、かえって力んでしまうことがあります。先に息を吐ききると、自然に吸いたくなるので、体の力を抜きやすくなります。
やり方の目安としては、こんな感じがよく紹介されています。
- 鼻から4秒ほどかけて、ゆっくり吸う
- 口か鼻から、6〜8秒ほどかけて、細く長く吐く
- これを数回くり返す
秒数は厳密でなくても大丈夫です。「吸うより、吐くほうを長めに」だけ覚えておけば十分だと思います。
現代人は、呼吸が浅くなりやすい
もうひとつ、なるほどと思ったことがあります。
スマホやパソコンを見ているとき、私たちは前かがみになって、画面に集中しがちです。そうすると、胸やお腹まわりが縮こまって、呼吸が浅くなりやすいそうです。しかも、浅くなっていることに自分ではなかなか気づきません。
思い返すと、仕事に集中していて「あれ、今、息してたっけ?」となったことが私にもあります。
深呼吸には、リラックスするだけでなく、**「呼吸が浅くなっていたことに気づくきっかけ」**という役割もあるのかもしれません。
実際にやってみた
せっかくなので、仕事の合間に試してみました。椅子に座ったまま、背もたれから少し体を離して、ゆっくり吐いて、吸って、をくり返します。
数回やっただけですが、肩がすっと下がる感じがありました。「肩に力が入っていたんだな」と、そこで初めて気づきました。劇的に何かが変わるわけではないものの、頭が少し静かになった感覚があります。
道具もお金もいらなくて、30秒あればできる。これは続けやすいなと思いました。
まとめ
深呼吸が大事と言われる理由を、私なりにまとめるとこうなります。
- 呼吸は、自分の意思で変えられる数少ない体の働きである
- ゆっくり吐くことで、体が休息モードに入りやすくなる
- 浅い呼吸になっていることに気づくきっかけになる
- いつでも、どこでも、無料でできる
「深呼吸して」という言葉は、気休めのように聞こえていたのですが、ちゃんと理由のある、体にやさしい方法だったんですね。
ただし、深呼吸をしても息苦しさが続くときや、動悸などが気になるときは、無理に呼吸だけで何とかしようとせず、医療機関に相談してくださいね。
今日、ちょっと気持ちが忙しいなと思ったら、まずは長めに「ふぅーーっ」と息を吐くところから。よかったら、試してみてください。
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